業務で使用する雨合羽の乾燥方法 設備の種類と選び方
豪雨・大雪などの悪天候でも、日常生活を支える「配達業務」「現場作業」はいつも通りに行われます。このような業務に従事する方々にとって、大きな課題となっているのが「衣類を乾かすこと」。作業時に着用していた雨合羽やレインコートがなかなか乾かず、翌日も生乾きのまま使用せざるを得ないというケースも少なくないと聞きます。
特に最近は、連日のゲリラ豪雨や線状降水帯の発生などで数時間後の天候も読めず、天日干しや扇風機など従来の方法で衣類を快適に乾かす難易度は確実に上がっていると言えます。
このコラムでは、仕事で使う雨合羽やレインコート等、雨具の傷みを気にせず効率的に乾かすための方法や、自社の環境に合わせた設備の選び方をご紹介します。
「ドラム式乾燥機」の特徴と留意点
「乾燥機」というと、家庭での普及が一般的になった「ドラム式乾燥機」をイメージする方が多いでしょう。しかしドラム型乾燥機は便利な反面、量が多いと乾燥が十分にできないこともあります。傷みやシワも生じやすいですし、何よりも対応不可な衣類が多いのが実情です。
これは家庭用だけでなく、業務用の大型タイプでも同じです。熱やシワに強い生地のものを大量に乾かす必要がある環境では、業務用ドラム型乾燥機の導入が進んでいるようです。
業務用乾燥機 代表的な4つのタイプを紹介
ドラム型が使えない環境では、他にどのような選択肢があるのでしょうか。ここで改めて、業務用の乾燥設備について整理します。
ドラム式乾燥機
衣類を回転させながら温風を当てて乾燥させる、最も一般的な方式。
乾きやすいものを一日に何度も乾かすシーン、例えばタオルやリネン類などを大量に使う病院や介護施設、美容院などで利用されるケースが多いです。
乾燥室
室内全体を除湿・送風して、干した衣類をまとめて乾燥させる方式。
嵩のあるもの、例えばウェットスーツやスキー・スノボウエア・用具等に向いています。一度にかさばるものを大量に乾かす設備なので、ある程度の広さが必要です。
例えば、大型レジャー施設での導入が目立ちます。
ロッカー・キャビネットタイプ
ロッカー状の庫内に衣類を吊るし、温風と送風で乾燥させる方式。
十分な広さがない環境で、反射板のついた安全服など特殊加工が施されていたり、傷みやシワが目立ちやすいものを乾かす際に使われることが多いです。
倉庫やインフラ関連業務の待機場所等への導入が目立ち始めています。
送風・除湿タイプ
サーキュレーターや除湿機を使った、簡易的な方法。
比較的少量の衣類や、湿気を嫌うものを乾燥させ続けるために使います。
例えば、トランクルームなどで導入がなされています。
雨天時の業務で着用したレインコートなどの雨具は、型崩れが心配です。防水はっ水加工がなされているため、高温を避ける必要もあります。入れ代わり立ち代わり、待機所や事務所に来る従業員が雨具等の衣類を乾かす——。このようなシーンで広さが十分に取れない環境の場合、③「ロッカー・キャビネットタイプ」が最適といえます。
吊るしたまま乾燥する「ロッカータイプ」の仕組みと特長
「ロッカータイプ乾燥機」とはどのようなものなのでしょか?ロッカーのような縦型の庫内に衣類を収納して乾かすもので、「温風」と「庫内送風」を活用することで、ハンガーに雨合羽やレインコートを吊るしたまま乾燥できる仕組みです。
「ロッカータイプ乾燥機」の最大の特長は、庫内温度をおよそ60℃前後に自動で保ちながら、異常な高温にならないよう自動調節する機能を備えていることです。吸気・送風・排気の流れをコントロールすることで、衣類へのダメージを抑えながら乾燥できる設計を採用しています。
ロッカータイプ乾燥機の主なメリット
雨合羽・レインコートを乾かすシーンを想定すると、ロッカータイプには次のようなメリットがあります。
- 衣類を回転させないため「シワや型崩れが起きにくい」
- レインウェアのようにかさばる大型衣類にも対応しやすい
- ハンガーに掛けたまま複数着をまとめて乾燥できる
- ドラム式では扱いにくい素材・形状の衣類にも使いやすい

特に、衣類を回転させないため「シワや型崩れが起きにくい」、という点は業務用で使う際に重要なポイントとなります。
ロッカータイプは、ドラム式のように衣類同士が擦れ合ったり絡まったりすることがほぼありません。
つまり、防水素材やコーティングされたレインウェアにも使いやすい方式といえます。
もちろん「どんな雨合羽でも必ずシワにならない」「必ず乾く」といった断定はできません。素材によって適した乾燥方法は異なるため、洗濯表示の確認は必要です。
また、素材・厚み・濡れ具合によって乾燥までの時間や乾燥状態などは変わるため、導入前に、自社の衣類で試したり、類似する現場で使われているかどうかを調べることを推奨します。
ロッカータイプ乾燥機の導入前に確認したい6つのポイント
ロッカータイプ乾燥機を選ぶ際は、次のポイントを確認します。
衣類の種類
雨合羽・レインコートのほか、防寒着や制服なども乾かすか
枚数
1回に何着、1日に何人分乾かす必要があるか
乾燥時間
次の使用までにどれくらいの時間的余裕があるか
設置スペース
本体サイズに加え、扉の開閉スペース・搬入経路も確認
電源
100V対応か、200V対応か
※電源工事ができない場合は、家庭用電源が使える100Vタイプをおススメします
安全性
PSEマーク取得の有無、扉の素材(耐熱性)など
以上が、業務用ロッカータイプの乾燥機を選定する際の主なポイントです。ここからは、一例として、プレッシオの「Windy DRY EX」の仕組みと特徴をご紹介します。
ロッカータイプ業務用乾燥機「Windy DRY EX」
「Windy DRY EX」は、川上機工が製造し、プレッシオが販売代理を務める業務用乾燥機です。
新聞販売店・工事現場・整備工場・病院・消防関連など、雨具や作業着を扱う現場を中心に導入が進んでいます。
主な特長
- ・温風と庫内送風(庫内ファン)を組み合わせたW効果で、衣類を効率よく乾燥
- ・庫内温度を自動調節し、異常な高温による衣類へのダメージを抑制
- ・扉は省スペースなスライド式で、耐熱ポリカーボネート素材を採用
- ・ルーティンタイマーを標準搭載し、予約運転が可能(防寒着のウォーマーとしても活用できます)
- ・日本の電気用品安全法に基づく「PSEマーク」を取得
- ・特別な手入れを必要とせず、日常清掃の延長で維持管理できる
- ・サイズも豊富、横幅1,600mmの大型タイプでも100Vと200Vから選択できる
オプション
プライバシーウィンドウ
庫内が外部から見えないよう視線を遮る仕様。ブラウン系・ブラック系から選択可
セキュリティロック
施錠して衣類を安心して収納できる
転倒防止プレート
万が一の場合に備え、乾燥機の安定性をさらに高める
庫内100Vコンセント
電源が必要な「オゾンガス発生装置」を設置すれば除染ボックスとしても活用可能
(乾燥機能稼働中は安全のため通電しません)
自社に合うサイズの選び方
「Windy DRY EX」シリーズは、使用人数や設置環境に合わせて選べるよう、さまざまなサイズ・電源仕様を用意しています。
| モデル | 目安人数 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| WindyDRY 105EX | 2〜3人分 | コンパクトサイズ。殺菌灯を搭載し、カビ・菌類の発生を抑制。 |
|
WindyDRY 109EX/209EX (幅900mm) |
5〜10人分 | 100V/200Vから選択可能。 |
|
WindyDRY 112EX/212EX (幅1,200mm) |
7〜14人分 | 100V/200Vから選択可能。より大人数の現場向け。 |
|
WindyDRY 116EX/216EX (幅1,600mm) |
15〜18人分 | 100V/200Vから選択可能。大型タイプで2026年リリース。 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 雨合羽を乾かす専用の機械はありますか?
雨合羽やレインコートを吊るした状態で温風乾燥させる、業務用のロッカータイプ乾燥機があります。
機械ではなく専用の乾燥室などを備えている環境もありますが、設置年数が経過したり乾燥設備が最新のものでない場合、換気が十分にできない場合もあるようです。具体的には、雨合羽への臭い移りなどが気になってくるというケースも見受けられます。
Q2. レインコートをそのまま吊るして乾燥できる機械はあるのでしょうか?
ロッカー・キャビネットタイプと呼ばれる業務用乾燥機であれば、ハンガーなどに掛けたまま乾燥できます。衣類を回転させないため、型崩れやシワを抑えやすいのが特徴です。
Q3. ドラム式以外の乾燥機はありますか?
あります。衣類を吊るして温風で乾かすロッカータイプは、ドラム式に対応していない素材や、シワをつけたくない衣類の乾燥にも使いやすい方式です。
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